スロバキアでのマタニティライフ

スロバキアで過ごした妊娠期間のこと、妊娠に至るまでの私の過去のことも含めて綴りたいと思います。

スロバキアで妊活を決意

今回の妊娠は私にとって初めての妊娠かつ自然妊娠でした。
元々、日本へ生活の拠点を移してから子供を持つつもりでいましたが、世情のせいでなかなか思うようにいかず、時間だけが過ぎていく状況にもう待つのも限界に感じたため、(私の年齢的なこともあるので)スロバキアで妊活をすることにしました。

妊活といっても、生理周期を記録して排卵日を予測するだけでしたけれど。

婦人科疾患を経験して

実は私は婦人科系の罹患歴があります。

社会人をしていた20代、避妊のための低用量ピルを処方してもらいに軽い気持ちで婦人科クリニックに行ったときに発覚しました。
子宮に4cmのチョコレート嚢胞があると言われ、すぐに総合病院への紹介状を書いてもらいました。

自覚症状がなかったか聞かれ、言われてみれば毎月ではないものの冷や汗が出るくらい重い生理痛があったり体からのサインは出ていたのでしょう。
でも生理痛はこんなもの、と病気を疑うことは全くありませんでした。

医師からは丁寧にチョコレート嚢胞についての現状を説明されましたが、すぐには受け入れられず、渡されたパンフレットには不妊の確率は50%と書かれていました。

あまりのショックで自宅までの帰り道の記憶がありません。
当時付き合っていた今の主人に病気のこと、そして不妊の可能性があることを伝えるのは本当に勇気が要りました。

幸い、薬の服用を数年続けたのちに嚢胞は消え、再発の可能性はありますが、一先ず治療は終了となりました。

私の場合、たまたまあのタイミングで見つかったのは不幸中の幸いでした。

静かな妊娠発覚

まずは自己流で妊活をして、なかなか授かれなかったら婦人科で検査することを視野に入れないといけないかなと思っていた中、妊娠発覚は今年の2月。

いつもの月経前の感覚と違う気がして、すでに妊娠したと一人でそわそわする。
生理予定日から1週間が経過してから、市販の妊娠検査薬を試してみました。

今の検査薬はデジタルで妊娠周期も予測してくれるんですね!

妊娠できて嬉しいはずなのに、主人も私も陽性反応の出た検査薬を目を見開いて見つめることしかできませんでした。
(サプライズで妊娠報告とかしても全然あかんやつ、だからサプライズは絶対にしない)

心境としては、驚きときちんと子宮の中で育っているのかという不安のほうが大きかったです。
でもまあ、この翌々日からアイルランドのダブリンへ旅行へ行ったのですけどね。

妊娠が分かったら、赤ちゃんの心拍確認をするために産婦人科にかかると思いますが、日本だと大体妊娠6~7週で病院に行くようですが、スロバキアでは12週まで診てくれません。
診てくれないは語弊がありますが、あまり早くに診察を受けてもきちんと確認ができないしあまり意味はないからと言われました。
そのため、私がスロバキアの産婦人科に妊婦として受診したのは11週6日でした。

悪阻と田舎暮らし

つわりって急にやってくるんですね。
私の場合は吐きづわりで1ヵ月半続きました。

つわりが始まった辺りでロシアのウクライナ進攻があり、ウクライナから避難してきた人々の支援活動をしていました。
人々を家に泊めていた一週間は何故かつわりが軽くて動けたんですよね。
でも体は無理をしていたのか、その後つわりはさらにひどくなりました。

食事の用意が辛くて、このときほど日本のスーパーが恋しくなったことはありません。
日本のスーパーに行けば、お惣菜やレトルト食品に冷凍食品が簡単に安く買えますからね。
スロバキアにはそのような商品は日本に比べるとほとんど売られていません。

デリバリーを頼めばいいかとアプリをインストールして住所を入力すると、「宅配可能なレストランは該当しません」と表示され、断念。
田舎暮らし、こういうとき本当に辛い。

私の主人は家事が全くできない人なので、何とか食事は毎食頑張って用意をしていましたが3回ほど夕食を自分で用意してもらいました。
(このときの私、自分を自分で褒めたい)

つわりのピーク時は一日のほとんどをベッドかソファで横になり過ごしていました。
(朝起きて、着替えてリビングのソファに移動して横になるという謎のことをしていた)
水を飲んでも戻してしまったときは、経口保水液を自作したりもしました。

このときから主人はパニックになっていましたね。「つわりで病気じゃないから」と言っても、一日に何度も嘔吐している私を見て、知人に電話してアドバイスをもらったりしていました。(人騒がせや)

吐き気止めと栄養ドリンク

新型出生前診断(NIPT)

NIPTとは母体から採取した血液から胎児の遺伝子組織を調べるというもの。

私たち夫婦は主人が40代前半、私が30代前半と二人とも若くはありません。
子供を望むのには少し遅いくらいの年齢です。
子供が成人をする頃に主人は還暦を迎えます。
そのため、子供が遺伝子疾患を持って生まれてくることに不安を抱いていました。

スロバキアの産婦人科で見つけたNIPT検査のパンフレット。
私の場合は40歳未満なので、全額自己負担、日本円で6~7万円だったと思います。
(スロバキアの物価からしたら高額)

検査は13、18、21トリソミーの染色体異常のみを調べるものと、上記の3つとそれ以外の稀な染色体異常の項目も含めるものがありました。

もし、検査結果が陽性で、お腹の子に遺伝子疾患の可能性があるならば、今回の妊娠は継続しないという結論を夫婦で出していました。

この検査は染色体異常の有無のみ判別できる検査です。しかし、スクリーニング検査のため、「陽性、陰性」で判定されますが、あくまで可能性の有無を見るものです。

結果は検査機関からメールで送られてきました。
検査結果には胎児の性別も記載されていたので、早い段階から子供の性別は分かりました。

検査結果のメールを受け取り、添付ファイルを開けるのは怖くて自分ではできなかったので主人にまず見てもらいました。

このような出生前診断には賛否があることと思います。
不安要素を一つでも取り除けるという意味では、私は受けて良かったと思っています。

妊婦健診

スロバキアでは主人の知り合いの元助産師の方から紹介してもらった産婦人科のクリニックに通いました。
当時住んでいた村から車で片道2時間
主人曰く、できるだけ信用できる医師を選びたいからと。ここでもスロバキアあるあるのコネクション紹介システム発動。

健診はおよそ3~4週間に一度。
エコー写真は欲しい場合のみ印刷してくれました。(別途料金)

スロバキアでは基本的に妊婦健診は保険適用されるので、実質の支払いはありませんでした。

スロバキアには日本でもらうような母子手帳はありません。
妊娠中の検査結果を記録するような小さな冊子のみです。
妊娠中から子供が6歳になるまでの記録を一冊をまとめて管理できる母子手帳は良いですよね。

健診には毎回主人が同行してくれました。
特に語学の面で不安要素があったので、一緒に診察室に入れるようにお願いしていたのですが、初診の問診の際に何故か年配の看護師に主人は待合室に出るように言われ、看護師と二人きりにされました。
容赦ないスロバキア語で問診項目の質問をされると全く分からない。
半泣きになりながら、何とか答えて終了。

幸い、担当医は簡単に英語が話せたので、スロバキア語と英語を混ぜてコミュニケーションを取っていました。

日本では厳しくチェックされるであろう、妊婦の体重ですが、スロバキアのクリニックでも毎回体重は計測しましたが、記録を取るだけで日本ほど重要視してなさそうでした。
血液検査も妊婦初期の一度だけでしたし。

お腹が目立つようになってきた6~7ヵ月くらいには親戚からはお腹小さい!もっと食べないと!と何人にも言われました。
親戚の方々は妊娠中は20kg近く体重が増加とか言ってて、確かにスロバキアの妊婦さんお腹大きいもんな~なんて。
それでも日本の産科で怒られたくない私は必死で体重管理しましたけどね。
(それでも結局は最終的に11kg増加しました)

夫婦二人の時間と日本での新生活に向けて

夫婦二人で旅行に行くこともこれで最後の機会になるということで、妊娠中でしたが旅行にも行きました。
(最近はマタ旅って言うんですね)

あまり推奨されていないようですが、体調には注意を払いながら無理のない範囲であれば問題ないかなと個人的には思います。
(母には飛行機に乗って移動し過ぎと言われましたが)

全てが初めてだらけのスロバキアでの妊娠生活は田舎の家のリフォームや日本への移住準備やら、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

日本への荷物の中に自分のものは後回しにして、スロバキアで購入した子供のぬいぐるみやおもちゃを何とか押し込んで荷造りしたのも良い思い出です。

そして、スロバキアから日本への長旅にお腹の中で頑張って耐えてくれた息子に感謝です。

日本ブログ村のランキングに参加しています。
以下のバナーをクリックしてもらえると嬉しいです。
にほんブログ村 海外生活ブログへ

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *