スロバキアでは新緑が一気に芽吹くこの季節、Stavanie májov といって、5月の初めに本格的な春の到来を祝います。
そして色とりどりのリボンで飾った白樺の枝を玄関に飾ります。

3年振りに開催!村の集会
また、昨日は住んでいる村で3年振りに集会が開催されました。
私はこの村を訪れてからこのような集会は初めてだったので、楽しみにしていました。
会場は村の廃校横の子ども広場。
集まった村人にはグラーシュとワインが振る舞われました。
グラーシュとはハンガリーの煮込み料理で、スロバキアでも一般的な家庭料理です。
夏に人々が集まるとなると大鍋で用意されるのです。

焚火が大好きなスロバキア人
スロバキア人は焚き火が大好き。面白いのは、このような春や夏の集会やお祭りでは大きな焚き火を作ることが多いのです。
気候も関係しているのか、スロバキアは夏でも日が暮れると肌寒くなります。大きな焚き火を焚くことで暖を取ることができます。
日が暮れるとなんとなしに人々が焚き火の周りに集まってくるのです。

以前と変わってしまった様子
しかし、コロナ禍による規制でこのような人々が集まるような催しは3年間ほど開催されることはありませんでした。
昨日集まった村人はコロナ禍以前よりも目に見えて減ってしまったようで、用意されたグラーシュの多くは余ってしまったのでした。
私たちの家のある通りからはお向かいさんと私たちの二軒のみが集会に来ていました。(この通りには10軒ほどお宅があります)
以前なら村人のほとんどが顔を出すほどだったそうです。
確かに東スロバキアの小さな村で人口は200人ほどですし、お年寄りも多く住んでいますが、それはコロナ禍から変わりません。
恐らく、この春の伝統行事がなくなった数年の間に人々の精神的な部分に大きな影響があったのではと推測します。
たかが村の集会だと思われるかもしれませんが、ずっと続いてきた伝統行事や集いに参加する意欲や興味が削がれるのは非常に寂しく、残念な気持ちになるのでした。
古い思い出と若い世代
驚いたことに予想よりも多くの子どもたちがこの村には住んでいるようでした。私が知らなかっただけで。
過疎化が進む地方の小さな村に若い世代が住んでいるのは良いことだと思います。
今私たちが住んでいるのは義母の生家であって、主人の祖父母が生前ずっと住んでいた家です。
主人からすれば、夏休みに泊まりに行くおじいちゃん家という感覚でしょうか?
幼少の頃はこの村に住む祖父母の友人方に可愛がってもらったそうです。
そのため主人が知っていたこの村の知り合いの方はもう他界されています。
その後もこの村に住んでいた訳ではないので、隣人以外のお宅とはほとんど交流がありませんでした。
そう、存じ上げない人がほとんどでした。
2年半近くこの村で暮らしているのに新参者のような何とも居心地の悪い感覚もありました。
それでも最後にこのような集いを経験したのはいつだったか、忘れていた感覚を取り戻すような経験でした。
これからまた来年、再来年と村の集会に村の人々が戻ってきますように。