杏で梅干し備忘録

材料と工程

【材料】
杏(完熟手前の少し固さのあるもの)
塩(梅の15~20%)
お酒(消毒用)
赤しそ(梅の分量の20%)
クエン酸 気持ちばかり少し

消毒用のお酒はウォッカを使用
  1. 杏を洗い、水分を拭いてお酒で殺菌する。(腐敗防止) 保存容器も同様に殺菌する。
    保存容器に杏と塩を交互に入れる。(まず塩から) クエン酸を足すと酸味が加わり梅干しに近くなる
  2. 上に重石を置いて冷暗所に放置。水が上がってきたら重石は軽くする。
お米とか塩で重石、この上に缶詰めとか乗せていました

3. 1週間程して杏が完全に浸るほど杏酢が上がったら赤しそを加える。
赤しその葉をたっぷりの水で2~3回洗い、水気を切る。赤しその20%の分量の塩でよく押し揉みし、強く搾って汁(灰汁)は捨てる。(2~3回繰り返す)
しっかり灰汁抜きしないと杏干しが黒くなる

4. 赤しそをボウルに入れて少し取り出した杏酢をしそが浸る程度に加え、赤しそを揉みほぐす。
赤しそが赤く発色したら杏の塩漬けの上に乗せて梅酢も全て戻す。

5. 2週間程したら土用干しをする。


1日目
赤しそを取り出して汁気を切り干す。乾燥させてゆかりに
杏はくっつかないように並べて干し、(時々ひっくり返す)日が出ているうちに室内に取り込む。

2、3日目
1日目同様に干す。日が暮れても室内に取り込まず、夜露に当てる。

変化が楽しい

私は干した後、そのまま別の保存容器に入れましたが、調べると再び杏酢の中に戻す方法もあるそうです。
違いは、杏酢に戻すと色が鮮やかで果肉がみずみずしく塩気が強くなり、戻さないと色はくすみ、果肉はねっとりとした質感になる。
好みの杏干しが作れるのも手作りの醍醐味ですね。

手間がかかるかわい子ちゃん

杏は庭で採れたもの、赤しそは日本から持ってきた種を栽培したものを使いました。
毎日様子を見ていると(主にカビてないかの確認)愛着も一層湧きます。
今回は初めてということもあり、カビの発生を恐れて塩分17%(高塩分)で作ってみました。塩分の比率を増やすと失敗しにくようです。
スロバキアは日本に比べて湿度が低いので初心者には作り易い環境だったかな。

杏干しは引き算の美学

今までスロバキアでの保存食の作り方を学んで色々作ってきましたが、肉は塩漬け、野菜は酢漬け、果物は砂糖漬けが通例であり、常識なんですね。
また、例えるなら足し算だとも。お肉や野菜に香辛料を加えて風味を良くする。これはこれで美味しいのですが。 反対に日本の保存食は引き算。梅干し(杏干し)は腐敗防止の塩のみを用います。

乾燥させた赤しそはゆかりに、杏酢はドレッシングや生姜を漬けて紅生姜も作れます。副産物があり、捨てるものがないことにも驚きました。手を動かして初めて気づくこと。
日本の美学や知恵、暮らしの在り方に通ずるものを実感したのでした。

出来上がった杏干しを早速食べてみると、しょっぱいのですが、不思議とトゲのある塩気ではありませんでした。これから時間の経過とともに、塩が馴染み、味が落ち着いていくのだそう。

保存食の陳列棚に並ぶ杏干し

日々の隙間時間でできる杏干し、この記事が海外在住の日本人の方の暮らしの小さな手助けになれば幸いです。

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