スロバキア政府は11月25日から3ヵ月間の緊急事態宣言を発表しています。
日毎に細かな規制の変更があり、全てを把握してはいられません。
現在はコロナワクチン接種者(罹患後に回復した人も含む)のみ小売店で買い物が可能となっています。
入店時に店頭でワクチンパスポートの提示が義務となっているようです。
食料品店と薬局、ドラッグストアは対象外、ワクチンを打っていなくても買い物ができます。
自由な買い物を求めてハンガリーへ
私夫婦はワクチンを打っていません。普段は最寄りのスーパーマーケットの買い出しくらいにしか外出しませんし、その他に買いたいものがあっても難儀なので諦めていました。
でもそろそろ他の消耗品の買い物に行きたい。
スロバキア国内の街に出ていっても満足に買い物ができない状況なのです。
そこで国境を越えて、ハンガリーまで買い物に行くことにしました。
理由は以下の二点。
・ハンガリー国内ではワクチン接種の有無による規制がないこと
・自宅から車で小一時間でハンガリーの国境沿いの街に行けること
国民のおよそ半数がワクチンを拒否しているスロバキア。
考えることは皆同じでして、各々が一番近い国境を越えてポーランドやハンガリーにクリスマス前の買い物に行っているのです。
先週、政府が週末は国境に警察を配備して、スロバキアから隣国に行く者に罰金を科すと発表しました。
現在、スロバキアとハンガリーの国境(陸路)は全て開いています。(12月15日現在)
スロバキアとハンガリーは両国ともにシェンゲン圏内なので、パスポートチェックなしに往来可能です。
なんの罰金なのでしょうか?もうワクチン接種をしていない国民への脅迫だと感じます。
週末を避けて平日に行ってきました。実際の国境の状況はどうだろうと思っていましたが、国の僻地の国境は廃墟のように佇む閉鎖された役場があるだけで警察どころか人っ子一人いませんでした。
ハンガリーは屋内でのマスク着用が必須でしたが、それ以外の規制はありませんでした。
スロバキアはマスクも特殊マスクのFFP2マスクの着用でないといけませんから、それに比べたら、とても緩い規制でした。
訪れたのはSátoraljaújhely (シャートラルヤウーイヘイ)とSárospatak (シャーロシュパタク)
ハンガリーの地名は長くて読みにくいものが多くて、私は何度聞いても覚えられません。
お隣さんですが、買い物は一苦労
スロバキアは通貨がユーロなのですが、ハンガリーはフォリント。
ユーロに慣れていると、フォリントは桁が多くて値段が高いのか安いのか、咄嗟には分からない。
ちなみにハンガリー語は、西スラヴ語であるスロバキア語とは全く違う言語系統であるため、全く違う言葉です。
スロバキアの周辺国は同じスラヴ語に該当することが多く、(チェコ、ポーランド、ウクライナ、ロシア)隣国へ訪れてもあまり言語で苦労することが少ないスロバキア人ですが、ハンガリーではそうはいきません。
表示は読めない、何か言われても分からない。(地方の小さな街なので、英語もほぼ通じませんでした)
買い物リストを握りしめて、とにかく買いたいものを買うことに集中するのみ。買いそびれたらスロバキアでは買えませんから。
感覚と直感とグーグル翻訳に頼って、無事に買いたいものは全て買えました。
写真のビニールパック詰めされた牛乳を見つけた主人は懐かしい!と手に取って見ていました。
こちらのスタイル、社会主義時代はスロバキアでも流通していたそうです。
こちらのショッピングセンターではクリスマスセールで全て半額になっていました。
購入したのは、主人の部屋着、下着、靴下にパジャマ。
クリスマスショッピングというキラキラした響きとは程遠い、購入品。
たくさん購入したからか、レジのおばちゃんがネクタイをおまけでくれました。
東欧は物価が安いは過去のこと
驚いたのは、ハンガリーの物価の上昇具合です。
2年前にハンガリーで買い物をしたときは平均的にスロバキアより3割ほど安かったのですが、現在は物価はほぼスロバキアと同じくらい、物によってはスロバキアより高いものもあるくらい。
「中欧・東欧が物価が安い」はもはや過去のことになりつつあるようです。
主人が「コーヒーはエスプレッソの機械のやつでなくて、ドリップコーヒーはあるか」と聞いたら、店員さんは「はい」と言ったのに、出てきたのはエスプレッソでした。(あら?)
エスプレッソだろうが何だろうが、コーヒーが飲めたらそれで良し。
あの手この手で矛盾を無視して自由を奪うなら、私たちもあの手この手で自分たちの生活を守らないといけません。
スロバキアからハンガリーまでクリスマスショッピングをしに行ったなんて来年には笑い話になっていますようにと強く願うばかりです。