スロバキアのクリスマス料理&定番映画。

スロバキアではクリスマスのことをVianoce (ヴィアノツェ)と言います。
あまり知られていない、スロバキアのクリスマス料理や慣習を紹介したいと思います。

宗教色が濃いスロバキアのクリスマス

本来、キリスト教の慣習ではアドベントの期間(クリスマスの4週間前の日曜日から)は肉食禁止。
24日のお昼は焼いたじゃがいも、夜は(魚はお肉に入らないらしい)とポテトサラダを食べて真夜中のミサが終わった後、肉の解禁。
豚肉や薫製ソーセージのクロバーサたっぷりのキャベツの酢漬けのスープ、kapustnica(カプスニツァ)を食べるのだそう。

サワークリームを乗せるとさらに美味

夜中に脂肪分たっぷりのスープを食べるなんて、何だか日本の年越しそばみたい。

スロバキアのクリスマスに食べられる鯉ですが、これがまぁ厄介。
下処理が面倒なのもありますが、硬い小骨が多くて食べにくいのです。
また、毎年クリスマスイブには鯉の小骨が喉に刺さったことによる救急搬送が数件あるらしいです。
めっちゃ怖い。クリスマスに病院なんて行きたくない。

写真右下が鯉の切り身
肉食文化のスロバキア、やっぱりお肉が美味しい

クリスマスの菓子パン、Vianočka (ヴィアノチカ)
中にレーズンが練り混まれた生地を編んだ形のもの。スロバキア人、セーターやカゴだけでなく、パンまでも編んでしまう。
たっぷりとバターと蜂蜜をつけて食べるのがスロバキア流。

Vianočné oblátky もスロバキアのクリスマスには欠かせません。
炭酸せんべいのように薄い生地を焼いたもので、これに蜂蜜をつけて食べます。
食卓を囲んでいる年長者が他の家族の者のおでこに蜂蜜で十字を書かいて、カトリック・キリスト教の讚美の言葉を唱えるのです。

蜂蜜はスロバキアのクリスマスにおいてとても重要です。
クリスマスのお菓子にもふんだんに使われますし、クリスマスの食卓に置かれる蜂蜜には、来年も穏やかで健やかでいれますようにとの願いを意味しているそうです。

鯉の小骨による救急搬送の恐れとご馳走の食べ過ぎによる胃もたれに臆することなく、胃薬を忍ばせながら脂肪分たっぷりのご馳走に砂糖をふんだんに使った焼き菓子を堪能するスロバキア人たちのクリスマスに対する並々ならぬ心構えと情熱に毎年圧倒されます。

毎年家族で観るのは、

日没が一年で最も早いこの時期、外も雪が降り、寒いので室内でテレビを観る時間が必然的に増えます。

スロバキアでクリスマスに決まって放送される映画がいくつかあるのでご紹介。
もう何十回も観ているスロバキア人でさえ、何故か毎年クリスマスの放送を観てしまう。

Mrázik (1964年)
元はロシアのおとぎ話だそうで、霜の精のおじいさんが心優しい少女を助ける話。
日本の昔話のあらすじに似ているストーリー展開。

Tri oriešky pre popolušku (1973年)
グリム童話のシンデレラに近いあらすじですが別物。東欧版シンデレラ。

Perinbaba (1985年)
直訳すると「羽毛魔女」
羽毛布団で眠る、季節を操る魔女。布団の上で飛び跳ねて地上に雪を降らせる彼女がある少年と暮らして始まるファンタジー映画。
チェコ、スロバキアの自然、昔の生活様式も見所のひとつ。
挿入曲のパイプオルガンの音色はスロバキアの世界遺産・ケジュマロクの木造教会のパイプオルガンだそうです。

どれも古い映画なのですが、朽ちない魅力のあるものばかりです。
是非機会があれば観ていただきたいです。

今年も主人と二人でのクリスマス、大人数で集まる他の人たちが羨ましく思いますが、持っていないものは仕方がない。
暖炉に火を入れて、暖かい部屋で美味しいご飯が食べられることに感謝してのんびり過ごします。

皆様、素敵なクリスマスをお過ごし下さい。

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